先日麻倉ももさんの初のワンマンライブ「LAWSON presents 麻倉もも Fantasic Live 2018 “Peachy!”」が開催されました。
麻倉ももさんのファンにとって特別なその日を私なりにお祝いしたくて、麻倉ももさんの楽曲「Run for you」をイメージしてミニゲームを作りました。
今回はそのミニゲームについて書きたいと思います。
作ったゲームはこちらのページで遊ぶことができます。
紹介動画はYoutubeなどで公開しています。
企画について
ライブの初日である10月20日には、麻倉ももさんの1stアルバム「Peachy!」に収録されている楽曲でメドレーを作って公開したのですが、11月公演の際にも何かできないかなと考えてみて、久しぶりにゲームを作ろうと思いました。
以前、麻倉ももさんが出演されていた番組で「もちょあつめ」や「もちょ走」といったワードが出てきて、それをテーマにして何かゲームを作りたいと思っていたので、ちょうどよいタイミングでした。
「もちょあつめ」は作るゲームの幅が広げやすそうなワードでしたが、既に「もちょあつめ」というタイトルで麻倉ももさんのフォトブックが出版されており、Twitterなどで検索した時に私の作ったものが混ざってしまうのは本意ではないため、「もちょ走」というタイトルで作ることにしました。
タイトルが決まった後は、それから連想されるものを軸に企画を考えました。
走るといえばRun for youという安直な発想に至り、それならば歌詞にあるように青空の下をもちょが走るゲームにしよう、と思ったのが最初の案でした。
それからゲームは自動横スクロールで、BGMはもちろんRun for youで、リズムに合わせて流れてくるPeachy!フラッグを集めて、といった具合に肉付けをしていき、最終的に今のようなゲームになりました。
企画が決まった後はイラストの制作依頼をしました。
イラストについて
ゲームで使用している可愛いイラストは、メドレーの動画や前回のフワコロナンチャンの時にもお世話になった木目りんさんに依頼しました。
木目さんに依頼したのは、描かれるイラストが魅力的であり、何度か一緒に制作しているので依頼しやすいといった理由もありますが、それ以外にも今回の企画実現に向けて重要な理由がありました。
今回のゲームでは、キャラクターが走るアニメーションが肝になるのですが、コマ割りした絵を切り替えてアニメーションさせる作り方だと、イラスト制作の負担が大きい、リテイクや調整が難しい、データ容量が膨れ上がる、などの問題があったため、体をパーツに分けてモーションで制御する必要があると考えていました。
木目さんが過去にあげられていた作品の中に、同様の手法で制作されているものがあったため、これはもう木目さんに依頼するしかない!と思って依頼しました。
今回はキャラクターイラストの他に、走る時のエフェクト、紙飛行機や旗などの小物、タイトルロゴの制作を依頼しました。
キャラクターについて
今回はただイラストを配置するだけでなく、アニメーションも必要になるため、キャラクター制作の進め方を工夫しました。
ラフ絵を描いてもらって確認した後に、イラスト制作作業に移るのですが、今回は着彩する前に、パーツ分けまで行った段階で一度データをいただきました。
パーツをレイヤー毎に出力して、ゲームエンジンのUnity上で組み立てます。
そして軽く動きを付けてみて、パーツの分け方に問題がないかを確認して、必要な箇所を修正していただきました。
パーツの分け方が確定した後で、着彩作業に取り掛かってもらいました。
着彩してもらっている間に、私の方でも仮のデータでアニメーションを作れるため、作業分担しながら制作を進めることができました。
アニメーションの制作は各パーツを動かすために、骨のようなものを設定します。
下図で赤・青・緑・ピンクなどの色で表示されているのが骨になります。
これらの骨を一定間隔ごとに動かしてポーズを作っていきます。
今回のゲームでアニメーションは私が担当しましたが、作ったアニメーションを木目さんにも確認していただいて、アドバイスをもらいながらブラッシュアップを行いました。
下の動画は調整を終えて、実際にゲームに組み込んでいるアニメーションになります。
背景について
今回のゲームでは砂浜を背景にもちょが走っていくのですが、時間に余裕もなかったため、Unityのアセットストアで2Dのイラストに合いそうなものを探してきて、手を加えて使用しています。
選んだアセットには砂浜と海と空の3Dモデルが含まれていて、全体的にイラスト調だったので今回の用途にぴったりでした。
背景制作ではサイズやライティングの調整、遠景の空を動かす処理の実装、スクロールした時に砂浜が途切れないようにする処理の実装などを行いました。
ゲーム中では3Dの背景と2Dのイラストを合成して表示しています。
リズムゲームについて
今回もリズムゲームを作ったのですが、「普段あまりゲームをしない麻倉ももさんでも楽しめるものにする」ということを意識して制作に取り組みました。
※もちろん実際に遊んでもらう機会がある訳ではありません。
ゲーム中は操作するボタンの数を極力減らして、長押しなどの特殊な操作も無くして、それでも面白いと思えるように譜面を考えて、今回のようなシンプルなゲーム内容になりました。
今回は設定の「やさしい」「ランダムなし」が一番楽しく遊べるように譜面を調整したつもりです。
譜面のデータはBGM作成に使用しているソフトで一緒に作っていて、MIDI形式で出力したデータを自前で加工してゲームに使用しています。
こうすることでゲーム中に使用するBGMを聞きながら、配置やタイミングをすばやく調整できるため、クオリティアップにかかる時間を短縮できました。
こだわりポイント
今回のゲームでは何箇所か演出にもこだわっているので紹介します。
ロード画面は走りのアニメーションを白抜きして、それっぽい雰囲気にしてみました。
画面の切り替わり時の演出では、穴が桃の形になるようにしました。
ゲーム開始時の演出では紙飛行機が飛んできて、それを見かけてもちょが追いかけ始める、といった歌詞を意識した始まり方になっています。
ゲーム中は旗を取るのが遅れたり、上下を間違えたりした時に唖然とした顔になって、BGMのボーカルパートがミュートになるようにしています。
そしてゲーム終了時には、曲が終わるぐらいのタイミングで一度画面外まで駆け抜けていき、手前に駆け寄ってきた後でリザルト表示をするようにしました。
ぜひ、これらの演出にも注目しながら遊んでみてください。
ゲームを公開してみて
3週間弱という短い期間の中で精一杯取り組み、何とか11月公演の日に公開することができました。
当日のツイートではたくさんいいねとRTをしていただき、実際に遊んでくれた方がリザルト画面からツイートしてくれたり、直接感想を言ってくださったりして、無事お祝いできただけでなく、作ったものを少しでも楽しんでもらえたことが非常に嬉しかったです。
ゲームを公開した日もライブに参加していたのですが、制作中に曲を聞き続けて、演出も作っていたからか、その日のRun for youはとてもグッときました。
今回のゲーム制作の中でいくつか新しいことに挑戦することができましたし、こんなきっかけを与えてくれる麻倉ももさんには本当に感謝しかないです。
これからも私なりに麻倉ももさんを応援していきたいです。
おまけ
今回はゲーム制作の他に2つほど並行して企画を進めていました。
まず1つ目の企画は「作ったゲームをプレゼントする」といったものです。
これまで手紙やプレゼントの類を贈ったことがなかったのですが、せっかくの機会なので作ったゲームをプレゼントしようと思って計画を進めていました。
どうせなら凝ったものにしたいなと思っていて、ジャケットやオリジナルディスクを作成して、手紙とともにプレゼントボックスに入れました。
2つ目の企画は「千秋楽にフラスタを贈る」というものでした。
いつもライブに行く友人たちと、いつも可愛らしいイラストを描いてくださる木目さんに声を掛けて、フラスタを贈る計画を進めていました。
麻倉ももさんに日頃の感謝とお祝いの気持ちを込めてより良いものを贈りたいと思い、木目さんのイラストパネルを付けたり、お祝い札の代わりにお祝い旗を作ってみたりしました。
花屋さんと何度もやりとりしながら、記念すべき日にこのようなフラワースタンドを贈ることができて良かったです。
木目さんだけでなく、友人たちにもゲームの公開前にデバッグを手伝ってもらったり、意見をもらったりしていたので、実質「チームもちょ走」からの贈り物になりました。